本を読みました。(道具としての微分方程式 偏微分編 斎藤恭一著)

1 本の概要

 偏微分って結局のところ何だろう。物理で出てきたものにしろ、数学で学んだ内容にせよ何処か掴み処が無くて解りづらい。抽象的な概念ではなくて具体例を挙げつつ、現実ではどのような計算において使われているのか知りたい。そういう時にはこの本を読むのがよい。数学書でよくある抽象的な概念のみの議論(抽象的なほうが応用が利くのは事実であるが)ではなくある程度現実に即した内容で分かりやすく説明されている。例えば高野豆腐に醤油を垂らしたとき、ある場所における醬油の分布はどのような式であらわされるのか、これは偏微分で表現できるのだ(スゴイ)。ほかにも様々な例で解説されている。後半では偏微分方程式を解いたり、重積分の説明がなされている。ただしあくまでメインは偏微分である。

2 感想

 偏微分なんて名前しか聞いたことのない私にとって、偏微分とはどういうものでどのように使われているのかがわかる本であった。ただ、偏微分方程式からはまだ学が浅いせいで完全な理解にまでは至ることができなかった。正直に言うと悔しい。しかしながらこの本が悪いというつもりもないし、偏微分を現実世界と絡ませ解説しているところは理解をして活用できるように考えられているのだろう。そもそも数学という学問は手を動かして解いてみようとしないと身につかないので、紙と鉛筆を用意してこの本を開きつつ、書かれている工程を手で書いてみるのが理解への一番の近道だろう。偏微分と聞いただけでアレルギー反応が起きそうな人は一度読んでみるとよいかもしれない。

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